最終更新日:2020.2.27
この記事は、原則として2019年7月現在の情報を元に書かれています。
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北の大地で鉄道旅 Part17 弊舞橋と快速ノサップ - カツレツーリスト
ここは日本最東端の有人駅、根室駅。これから道内第一位の乗降客数を誇る中心駅、札幌駅を目指して出発します。
根室駅では「東根室駅」の入場券を発売していました。券面に大きく書かれている駅名と、発行駅の名前が異なる、一見不思議な入場券です。
根室駅にはかつて特急列車や貨物列車が来ていたのか、1両の普通列車に不釣り合いなほど広い敷地があります。かつての貨物線跡でしょうか?
また、ホームの長さも4両編成なら入るのに十分な長さがあるように見受けられました。

乗るのは根室駅を13:34に発車する5630D釧路行き普通列車。根室~釧路を2時間17分で結びます。同区間を走る快速には2時間25分かけて走る3625D快速はなさき(下り)、同2時間15分の3628D快速はなさき(上り)、同2時間10分の3629D快速ノサップの2時間10分があります。ですが、通過駅がないのにそれらの快速に遜色ない早さで走る普通列車は、カツレツに「快速ってなんだっけ」と思わせてくれる存在です。
西和田駅にはどこかで見たような、車両を改造した駅舎がありました。北海道にはよくあるタイプの駅舎ですが、それぞれの駅で塗装の色や駅名の表記が異なります。
根室を出てしばらくしてから、遅めの昼食タイム。行きの列車内では混雑していて、途中から座った席がロングシートだったので弁当が食べられませんでした。
釧路駅で快速ノサップに乗る前に買った釧路湿原弁当を食べます。値段は1080円。
ホタテやエビが入っている弁当はそんなに多くないと思います。エビを食べるとき、私は頭の殻を取る人なのですが、弁当でそれをやるのは少し面倒だなと感じます。いっそのこと丸ごと食べてしまうべきか。
常温での保存が大変なのは分かりますが、食事に野菜(特に葉物)がほとんど無いのは少し残念です。見た目も、バランより緑色の野菜が入っていた方が映えると思います。
落石→別当賀では右手に草原が見えました。酪農は北海道を代表する産業の一つで、根釧台地で盛んに行われています。列車に乗っているときに何となく臭い空気が漂ってきたので、何か家畜がいるのかも?
ですが、サイロや牛の姿が見えなかったので、酪農とは関係ない単なる草原なのかもしれません。

途中ぼんやりと景色を眺めていたら、駅名標らしきものが左から右へ流れて行くのが見えました。あれ?初田牛通過した?と思い調べてみたら、2019年3月のダイヤ改正で廃止になった駅でした。そういえば少し前、時刻表にそんなことが書いてあったことを思い出して、何とも言えない虚しさを感じたものです。
糸魚沢~厚岸では、鉄橋をいくつか渡ります。根室本線(花咲線)の釧路~根室では国道44号と並走している区間も少なくないですが、川の鉄橋を渡るときなど視界が開けている場所では遠くに道路の橋が見えたりします。
茶内で交換する予定の列車が遅れたため、終点の釧路には2分の延着。茶内発車時点で5分遅れていたので、遅れを3分回復したことになります。
乗降客がいない駅ではドアが完全に開いてから1秒経たないうちにドアを閉めるという、驚きの回復運転を目撃しました。回復運転と言ったら、制限速度ピッタリで走行したり、加速を繰り返したりするようなものを連想しますが、遅延を回復するには停車時間を削れるだけ削るのも重要です。
釧路から乗る列車は4010Dスーパーおおぞら10号。定刻では釧路を16:14に出て札幌に20:15に着きます。
4時間オーバーの長時間乗車となるので、今回はグリーン車を予約しておきました。グレードアップ座席やuシートよりもシートピッチや座席の幅が広く、大型で快適な座席です。
今回座る5番A席は、車両のほぼ中央にある座席です。車両の左右で重さのバランスを取るためか、キハ281系やキハ283系のグリーン車は5番の席を境目に、座席の配置が入れ替わっています。(1~4番が1+2の3列シート、5番が1+1の2列シート、6~9番が2+1列の3列シート)
一人がけの席ですが、特に座席の幅が他の席に比べて広いということはありません。ただし、座席の横に6B席のテーブルが付いた、小さめの台があるので、そこに小物を置こうと思えば置けます。(テーブルや窓枠にも物を置けるので使用頻度は低いと思いますが。)
古瀬~音別では海が間近に見えます。普段海を見ないカツレツは、海が見えるとそれだけで感動してしまいます。

スーパーおおぞら10号は浦幌まではほとんどスピードを出さず、池田以西の根室本線や石勝線の区間はスピードを出して走ります。車体を最大6度傾けて130km/hで走っていた時代に乗ってみたかったですが、今となっては叶わぬ夢です。スピードアップで飛行機やバスを圧倒し多くの乗客を集め、キハ283系が10両編成で走るのは壮観だったに違いありません。
石勝線、根室本線は全区間単線で、信号場や駅で方向の違う2列車が交換する際は、通常一方が信号場や駅に停車する必要があります。両方向の列車がノンストップで交換することはあまりありません。スーパーおおぞら10号は、交換する対向の特急列車(スーパーとかち5号・7号、スーパーおおぞら7号・9号)を全て待たせて、信号場をノンストップで通過するので、ダイヤ的に優遇されている列車なんだなと実感。ただ、それでも所要時間は4時間1分かかります。
2020年3月のダイヤ改正で、札幌~釧路を結ぶ特急おおぞら(愛称の「スーパー」が消えます)に、キハ261系が導入されていることが発表されましたが、キハ261系の同区間の最速は4時間1分です。キハ283系は最速3時間59分なので、キハ261系もあと2分スピードアップして4時間切りを達成してもらいたいところです。本当は車体傾斜装置を搭載して最高速度130km/hでの運転を再開して欲しいのですが、JR北海道の財政状況を鑑みるに難しいでしょう。
キハ283系には、Part5で紹介した通り、列車の走行位置を表示する装置が付いています。電光掲示板のキハ283系の表示がかわいい。
普通車の電光掲示板とは異なり、グリーン車のものには、車掌が車掌室にいるか否かが分かるようになっています。

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