最終更新日:2020.2.16
この記事は、原則として2019年7月現在の情報を元に書かれています。
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北の大地で鉄道旅 Part13 札幌で暇つぶし - カツレツーリスト
札幌駅7番線でライラック13号の入線を待っていると、10:53に桑園方から789系0番台が入ってきました。11:00発なのであまり時間に余裕がありません。
皮肉にも?ライラック13号に乗るきっかけとなった、旭川~稚内間で区間運休した特急"宗谷"と名前が同じラッピングをした、HE-103編成がやってきました。もっとも単なる偶然だと思いますが。
札幌~網走は約5時間半。そのうち、旭川~網走は約4時間かかります。4時間も同じ列車に乗車するのは少々つらいので、グリーン車に乗ります。札幌~旭川の約1時間半は普通車でも構わないのですが、旭川駅で特急ライラックから大雪に乗り継ぐと、運賃だけでなく特急料金、グリーン料金が通しの料金で計算されます。
つまり、札幌~旭川で普通車ではなくグリーン車に乗っても、グリーン料金があまり高額になりません!なので乗ります!
ライラックの1号車は普通車指定席とグリーン車の合造で、グリーン車の定員が15人、普通車の定員が14人となっています。制御車なので「クロハ」789形ですね 1号車は2~6号車と異なり、グリーン・普通問わずコンセントが設置されています。ですが、上の写真の通り、2人がけの席は窓側にコンセントが2口あるので、一応人数分は用意されているものの、通路側の席に座る人はコンセントを使いづらいです。
グリーン車の座席は、リクライニングをすると背もたれだけではなく座面が動いているのか、実際にリクライニングしている角度以上に座席を倒しているような感じがしました。また、座席はモケットではなく革張りになっているので高級感があり、飲み物をこぼした時は拭きやすいです。 なんでこんなことを言うかというと、以前カツレツがとある列車に乗車した時に布張りの座席にポカリをこぼしてしまって、車掌とその席に座る予定だった人に迷惑をかけてしまったからです
フットレストはカーペットと同じ布の面と、座席と同じ革の面があります。特に注意書きはありませんが、マナー的にフットレストの革張りの面は土足禁止でしょう。布張りの面は土足でも靴下でも素足でもご自由にどうぞ。
ちなみに、フットレストを引っ繰り返さない限りは土足OKの布の面が現れるはずです。
ひじ掛けに収納されているテーブルを広げ、弁当を食べます。この日の昼食はライラックの乗車前に大丸札幌店で買った、みやびさんの弁当。税抜1200円と高いですが、美味しかったです。いくらやエビ、ウナギなど海の幸が多く入っていました。
砂川、滝川、深川、旭川、上川と、「川」がつく駅名が5駅続く特急オホーツクの停車駅のうちの4つ目、旭川が近づいてきました。
2017年3月のダイヤ改正から、札幌~網走を走っていたオホーツク4往復のうち、2往復は旭川~網走に運転区間が短縮されました。その2往復は愛称が「大雪」になり、札幌~旭川を走るライラックと同じホームで接続するようになり、先述のような特急料金とグリーン料金が通算される制度も登場しました。その代わり5連続で川がつく駅に停車する列車は減ってしまいましたが。

旭川到着の約5分前に鉄道唱歌のチャイムが流れると、下車の支度を始めます。対面乗り換えで、定刻通りなら旭川到着~出発まで16分あるので焦る必要はありませんが、弁当をすぐに捨てられるようにゴミをまとめておきます。フットレストを元に戻して靴を履いたりしていると、すぐに終点に到着します。
ライラック13号は旭川駅4番線に2分遅れの12:27に到着。大雪1号は同じホームの3番線から12:41に発車します。

余談ですが、特急大雪の大雪は「たいせつ」と読みます。大雪山の「たいせつ」です。「おおゆき」ではありません。きっぷを買うときに読み方を間違えると窓口の方に笑われるかも?
旭川からも引き続きグリーン車に乗ります。大雪の2号車は単なるグリーン車ではなく、ハイデッカーグリーン車となっていて、座席が高い位置にあります。窓も比較的大きいので、普通車より景色が良く見えます。座席は1+2列配置で、定員は24人です。 形式はキロ182形です
座席は、キハ281系やキハ283系に使用されているものと同じで、フットレスト、コンセント、ドリンクホルダー、枕、読書灯、スライド式テーブルなどが付いています。モケット張りで機能的な座席だと感じました。
この日の大雪1号の車内では車内販売がありました。JR北海道の宗谷本線と石北本線の特急では、その特急が走る地域の方々によって特産品が販売されます。石北本線では6つの自治体がそれぞれ異なる日時で特産品の販売を行います。7/27は北見市の「石北沿線ふるさとネットワーク」さんが上川→留辺蘂で車内販売を実施していました。
せっかくなので、「トリュデ・フリュイ」(380円、当時)を購入しました。フランスパンの生地にドライフルーツとナッツを混ぜ込んだパンだそうです。
外の皮の部分が少し固かったのと、少しパサパサしていたので、飲み物を予め用意しておいて正解でした。
列車は上川を過ぎると森の中を走って行きます。途中で電波が入りにくいのか、スマホが時々圏外になりました。石北本線は山間部を通っているので、どうしても都会に比べて通信環境が悪くなってしまいます。トンネル内は絶望的。
旭川駅を出てから2時間ほどが経ち、珍しいスイッチバックのある遠軽駅に到着します。この駅で3分ほど停車し、進行方向を変えて網走へ向けて発車します。
生田原駅を出て常紋トンネルを抜けると、スイッチバックの跡らしきものが見えます。既に廃止された常紋信号場の設備が一部残っているので、進行方向右側から観察することができます。
常紋トンネルは人骨が見つかったことや人柱などで有名ですが、金華信号場の近くに慰霊碑があります。2016年3月のダイヤ改正以前は金華駅からアクセス出来たのですが、現在は信号場になっていて乗降が出来ないため、国道242号を経由する必要があります。
北見駅で私以外に数名いたグリーン車の乗客が全て降りてしまい、貸切状態になってしまいました。この貸切状態を記録するべく、客室の端に行って写真を撮ろうとするのですが、カメラのレンズが超広角ではないためデッキとの境目の自動ドアの近くで撮影しようとします。だってそうやって距離を確保しないと24席全てレンズに収まらないんだもん
ですが、自動ドアのセンサーの近くに立っているので、ドアが閉まりかけたと思ったら開いたり、ガーとドアが動くので思うように車内が撮影出来ません。その時、車掌さんが自動ドアのスイッチを切って手動にしてくださったので、動くドアに気にすることなく写真の構図に集中することが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。
北見駅の西側は、連続立体交差事業が1973年~1977年にかけて実施され、線路が地下化されています。また、東側は1992年に線路が高架化されています。
連続立体交差事業といえば、首都圏などで開かずの踏切を解消したり分断されている市街地を一体化したりするために行われてきたものですが、その多くが平成に入ってから行われ、令和2年現在も進行中の場所もあります。そんな中、昭和52年に連続立体交差事業を完了していることは、初めて知った方なら驚くでしょう。ちなみに、北見駅東側の高架化は、連続立体交差事業と直接の関係はありません。
16:35、特急大雪1号は網走に到着。もともと宗谷本線に乗るつもりだったので、網走に20:49着の大雪3号を使う予定だったのですが、いろいろあって4時間以上早く宿泊地の網走に着くことになりました。
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北の大地で鉄道旅 Part15 網走で花火 - カツレツーリスト
あとがき
こんばんは!この記事を朝に読まれる方はGood morning. 昼の方はBonjour. カツレツです!
記事タイトルの「クロハ」は、制御車で普通席とグリーン席が両方ある車両の形式記号です。「ク」は電車に使われる記号で、運転台のある制御車を意味します。「ロ」はグリーン車、「ハ」は普通車の意味です。
「キロ」は、気動車に使われる記号で、エンジンの付いていて、かつグリーン車である車両のことです。「キ」がエンジンの付いた車両のことを表します。ちなみに、気動車でもエンジンを積んでいない付随車を表す「キサ」という記号がありますが、現在の気動車には殆ど使われていません。私が知っている限りでは、ノースレインボーエクスプレスのキサハ182-5201とSL銀河のキサハ144-701、キサハ144-702の計3両のみで、記号「キサ」は絶滅危惧種と言えるでしょう。
ここまでの解説でお分かりの方もいらっしゃると思いますが、今回乗車した車両は「クロハ」789形と「キロ」183形です。両方ともグリーン車に乗車したのは先述の通りです。つまり、タイトルでグリーン車に乗ったことを表現していたのです!
グリーン車に乗ったことをどのように表現するかは正直迷いました。「四つ葉のクローバー」とするか、「3列シート」とするか、あるいは素直に「グリーン車」とするか考えた結果、形式記号である「ロ」をタイトルに起用することにしました。
次回Part15の記事は1/13までに投稿する予定です。お楽しみに!